平成17年 3月28日(土)「DX歌舞伎町SM大会 」ライブレポート-下
   
ライブフォト
No.2 No.1
 

口が豆しぼりで塞がれ、陰惨な女の図が完成されたところで、今回のショウのメインである、鼻責めが始まっていきます。先生が一番初めに選んだフックは、2つのフックをまとめる部分に黒皮を用いたオーソドックスなものでした。ボールチェーンを引き上げると鳥巣嬢の鼻が上に引き上げられ柔らかな小鼻の皮が捲り上がってしまうようです。
先生は鳥巣嬢の頭上で、フックを握り締め立ち上がります。

「皆さん、この哀れな鳥追い女を、歪んだ顔を良く見てやって下さい。」

完全に鳥巣嬢を晒し者としての扱い始めた先生は、暗い情熱に突き動かされているように見えました。良く見えるようにとの配慮か、左右に鳥巣嬢の顔をふっていきます。勿論、フックは掴んだままなので、彼女の鼻は動きによって痛みが刺激されるはすです。
晒し者になった(鼻フックをつけた)鳥巣嬢は、おとなしく目を閉じ、先程まで開いていた感性を内に向けているように感じました。人形のようなその面持ちに金属の鼻フックが更に追加されていきます。上に上げるフックは後ろ頭で固定され、横に広げるためのフックが追加。四方に広がった鼻腔を先生は撫で上げたり、限界まで上に引き上げたりして、鳥巣嬢の反応を伺っていきます。頭上のボールチェーンを引っ張り、鳥巣嬢の顎を無理矢理上げさせると豆絞りの中から、小さな悲鳴が上がりました。
自ら観客に歪んだ顔を晒すという事に、抗う彼女の声は同性の目からみて哀れに耳に響きます。鼻腔は観客席から丸見えになり、俯く事ももう叶いません。

「女性の鼻腔はね、目安でいうと男の指でいう人差し指第一関節くらいまで入るんだ。鳥巣ちゃんの鼻腔はさ、凄く小さい。でもね、柔らかいんだよ。こちらが自制しないとどこまでも入れてしまいたくなる程、彼女の鼻は責めたくなる鼻なんだ。」

先生がフックを外し、指を鼻腔に挿入しました。小さな悲鳴のような喘ぎ声を上げ、鳥巣嬢の顔は歪みます。観客席の一番後ろにいた私の目からみても、先生の手にかなりの力が入っている事が判ります。鼻腔に指を入れた状態で上にひっぱり上げられると自然に上唇は上がってしまいます。鼻腔を捲り上げられるだけでなく、歯茎をも晒しモノにしてしまう。
鼻責めのもう一つの側面を見たような気がします。言葉にならない悲鳴を上げ、鳥巣嬢はやっと鼻責めから開放されました。ゆっくり、鼻を撫でられ、束の間の安息。

「上に左右に開かれた鼻はある程度過ぎたら戻してマッサージをした方がいいんだ。意外に簡単に鼻の形というのは変化してしまうからね。」

体のダメージの配慮。これは鼻責めのみならず、どの責めにも必要なものだと思います。そしてこの安息が、次の責めに対して、更に苦痛の呼び水になる事を先生は理解しているのです。精神と肉体と加虐と被虐のスパイラル。一息ついている鳥巣嬢の目には、どこか憂いが見えます。気持を持て余すような、表情。それは儚げな、鳥追い女の表情そのものでした。

鼻責めは、やはりSMの中でも特殊な責めだと思っています。
鳥追い女のお話に、鼻責めが必要なのかと私は正直、そう思いました。
でも、鳥巣嬢の表情を見て、ああ、有りだ・・・と感じたのです。
鼻責めは、女の美意識の剥奪ですから、解放なんてありえないのです。痛みや閉塞感からの脱却だけでは済まないのです。地味に続く羞恥の責め。体への安息の時間など必要ないと、思える程の。
これは、鳥追い女が求める「破滅を超える欲望」そのものだ・・と思ったのです。
ふらりと、先生が立ち上がり新しいフックを鳥巣嬢の鼻にかけ始めます。まずは金属のフックで左右に開き、後ろで固定しました。更に、肌色のゴムチューブを巻いたフックで上に引き上げ、端についている細い麻縄を頭上に回し、亀甲縛りを施していきます。ヘッドギアの様なその様子はフックの固定を更に強化しているように見えます。
肌色のゴムチューブの巻いてあるフックは彼女の鼻と同色なので、鼻が大きく見えます。情けないブタ鼻に見えるのです。彼女は目を固く瞑り、じっと耐えていました。
蝋燭を手にした先生は、閉じている気持を無理矢理こじ開けます。顎を上げ、胸を開かせます。蝋雫をポタリポタリと柔肌に落し、鳥巣嬢の口から声が漏れるのを確認してから、脚を開かせ、内腿に蝋燭を浴びせていきました。鳥巣嬢はあまり蝋燭責めに強い体ではないそうです。歪んだ顔を更に歪ませ、悲鳴を上げます。先生の表情は淡々としていて、それは抑制のきかない感情に身を任せている様に見えました。
ひとしきり責め上げると蝋燭の火を消し、亀甲縛りを解き、上に引き上げるフックを一番初めに使ったフックに変えました。四方に広がった鼻に、先生は指を挿入し鳥巣嬢の表情を覗き込みます。小さな鼻に男の指がすっぽりと収まります。
息苦しげに声を洩らす嬢を鳥巣一瞥した後、指を抜き、フックをすべて取り外しました。
かわいらしい鳥巣嬢の普段の顔に戻りましたが、頬についたフック跡が少しだけ痛々しい感じです。
そして遂に、最後の鼻責め器具を手に取りました。
改良に改良を重ねた、顔枷器具・ツェッペリンです。使用前のその器具で、先生は見栄を切り、鳥巣嬢の目先にツェッペリンを見せ付けます。うつろな目をした鳥巣嬢は覚悟を決めたような表情で、じっとそれが顔に掛かるのを待っていました。鉄製の口枷を噛ませ固定し、フックを掛けます。顎、口、頬を強制的に固定しまっているのでこの時点で鳥巣嬢の顔の自由は完全に先生の手中に奪われてしましました。額のねじを締め上げれば、フックは上に上がりその加減によっては、小鼻の痛みは計り知れないものになります。
口を閉じる事も出来ないので涎は溜り、口端から一筋流れ出せばタラタラと止まることはありません。小鼻は捲り上がり鼻腔の中までも剥き出しになりました。
先生は鳥巣嬢を四つん這いにし、不自由な顔の女を更に惨めに晒します。
痛み、屈辱感、羞恥心。襲い掛かるこの現実に、彼女の心はどう対処しているのでしょう。

「鳥巣ちゃんは、鼻責めを受け入れているよ。」

何気なく言った、先生の一言が耳を離れません。ツェッペリンの責めが終え、顔枷から自由になれた彼女の前に差し出された男の指を、何の抵抗もなく舐め始めました。
フックのねじを締め上げた指を、愛おしそうに丁寧に舐め上げます。
その舌はとても淫らでした。先生は黙って足指を彼女の口の前に持っていきます。
鳥巣嬢は両手でその足を包み込み、足指の間に舌を伸ばします。足指を口に含みしゃぶり、艶っぽい視線を浮かべています。
鳥巣嬢の唾液で濡れて光る先生の足指は、その矛先を彼女の鼻へと移していきます。体を反らせ、苦痛に顔を歪めながらも男の足指を受け切ろうとする姿は、妖艶そのもの。
追い討ちをかけるように先生が足指を差込めば、鳥巣嬢は差込みやすいように体を倒します。顔に足が乗せられ鼻を踏み潰しているかのような風情の責め図。
盆が回り、彼女の小さな吐息が響き、哀れに歪んだ顔に少しだけ安堵感が灯っていました。

とても静かに幕は閉じ「耽美会の見世物」は終了しました。
先生と鳥巣嬢が表現した「鳥追い女」は鼻責めという特殊な責めをメインにした見世物、
力任せという感は、確かに否めないかと思います。
ただ、舞台で二人は燃え尽きるまで心情を通い合わせたと思うのです。
自己満足の「完成図」に逃げない、マニアさんが求める責め図を作るために。

  Text by 彩花  前半へ戻る